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歌詞を鍛えあげるのはコマーシャリズム [音楽]

日曜午後。ゆうメールがポストに入っていた。中をあけて、『早稲田文学』のバックナンバーを取りだす。1977年4月号。さっそく、『作詞家はベアマンを消す -太田裕美「最後の一葉」の検証』(荒川洋治)を読み始める。

本題の『最後の一葉』についての考察のまえに、そもそも荒川氏が、フォークより歌謡曲の歌詞を高く評価しているのが意外だった。「当のフォーク・ソングの歌詞はあいかわらず青くさくてつまらない。コマーシャリズムにピッタリとマークされて動きがとれないかにみえる歌謡曲のほうが、作詞家の言語感覚を鍛えあげることになるのだろう」。

たとえば『山谷ブルース』(岡林信康)のつまらなさは、歌詞の言い訳がましさにあると批判し、『妹』(かぐや姫)については「ふすま」を「下着」に替えた方がいいなどと、週刊誌の記事並に下品な進言をしたうえで、女の肉体性にもっと触れて欲しかったと書く(それにしても昔の批評は、今よりも辛辣だと感じる。荒川氏にかぎったことではなく、前半に載っている中上健次と宇崎竜堂の対談もしかりだ)。

フォークソングは団塊世代の演歌・子守唄であるとはよくいわれることだ。しかしその青くさい内容を踏まえると、演歌どころか、団塊の日記のようなものだったのだろう。最近の松本隆は「J-POPと呼ばれるようになってから、若いアーティストの詞を書くスキルが落ちている」といった指摘をしているが、当時のフォークソングの稚拙さを踏まえると、ミュージシャンと呼ばれる人々の詞のスキルなど、昔も今もそう変わっていないような気もする。

 

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オー・ヘンリー傑作選 (岩波文庫 赤 330-1)

オー・ヘンリー傑作選 (岩波文庫 赤 330-1)

  • 作者: オー・ヘンリー
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1979/01
  • メディア: 文庫

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松本隆とCMソング [音楽]

録画したNHKの「音楽都市散歩 スペイン」を見ていたら、スペインの音楽に興味が湧いてきた。アマゾンで調べてみると、私の持っているアルバムの中にもスペインの楽曲が入っていたことに気づく。

ところで最近、松本隆の公式サイト『風待茶房』には、CMソングについての松本のインタビューが掲載されていて、これが個人的にはちょっと読み応えのあるものになっている。

これまでの松本隆といえば、様々なエッセイや放送メディアでのインタビューを通じて、「プロの表現者」としての側面しか知ることが出来なかった。自作PCや愛犬の話など、なかにはプライベートなエピソードもあって、微笑ましくもあったが、仕事についての話は、ときに抽象的で哲学的で、分かりにくいこともないではなかった。

それに対して、このインタビューでは、広告代理店やスポンサーといった立場の人々と、作詞家としてどう関わってきたのかといった「実務」についての具体的な話が読めるのである。これは意外と貴重ではないかと思う。

 

新・風街図鑑

新・風街図鑑

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックダイレクト
  • 発売日: 2009/12/09
  • メディア: CD

 

松本隆対談集 『KAZEMACHI CAFE』

松本隆対談集 『KAZEMACHI CAFE』

  • 作者: 松本 隆
  • 出版社/メーカー: ぴあ
  • 発売日: 2005/03/19
  • メディア: 単行本

 

成層圏紳士

成層圏紳士

  • 作者: 松本 隆
  • 出版社/メーカー: 東京書籍
  • 発売日: 2001/04
  • メディア: 単行本

 

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タグ:松本隆
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佐野元春 × 松本隆 [音楽]

録画した番組を見る。『ザ・ソングライターズ』(NHK)。今回は松本隆。はっぴいえんどでドラムをやっていた関係でR&Bをよく聴いていたという話は意外だった。てっきりビートルズかバッファローの話が出てくるのだとばかり思っていた。

話を聞く佐野の表情が妙に生き生きとしている。松本をリスペクトしているからだろうか。生き生きとした佐野の表情は、ちょっと茂木健一郎に似ている。

佐野はその昔、『ナイアガラ』で松本と仕事しているし、松田聖子の『ハートのイアリング』では作曲もしている。ため口で話しかけることもあったから、ふだんから親交もあるのだろう。定型質問での好きな映画のひとつは小津の『麦秋』。そういえば山下達郎も自分のラジオ番組で『麦秋』が好きだといっていたっけか。

「好きな言葉」は『風』。「嫌いな言葉は無い」という解答は、「あまり無いね」と答えた先回のさだまさしと似ていて、詩人とは面白いものだと思った。

 

EACH TIME 20th Annniversary Edition

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ソニーミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2004/03/21
  • メディア: CD

 

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タグ:松本隆 2000's
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「ザ・ベストテン」の記念アルバム [音楽]

休日に図書館にいったときのこと。用事を済ませたあと、まだ時間があるのに気がついた。なんとなく検索機の前にすわり、「ザ・ベストテン」などと入力してみた。すると、TBS系の『ザ・ベストテン』放送終了後に、各県立図書館に寄贈された番組の『記念アルバム』なるものがヒットした。毎週、番組の終わりに撮影した出演歌手たちの記念写真を、12年間分掲載したものだ。

書庫から出してもらい、アルバムを手にした。銀色の装丁。でかい。重い。まあ、アルバムだから当たり前なのだが。じつはこのアルバムについては、その存在を知ってからというもの、いつかは見てみたいと思っていた。しかしなぜかその機会に恵まれなかった。検索するたびに、どういうわけかヒットしなかったからだ。

アルバムに写っている歌手たちは皆、いかにもスターという佇まいをしている。渡辺真知子が毎週出ていた時代から光GENJIにいたるまで、時代は流れても、スターの華やかさは変わらない。「プレイバックPart2」の頃の山口百恵や「チェリー・ブラッサム」の頃の松田聖子に至っては、なにやらオーラすら漂っている。組立体操をしながら写っているラッツ&スターの写真には笑った。

ところで、ここでクイズを出してみたい。

スタジオのうしろのソファに座って写っている、とある二人組アーティストのことだ。次に挙げる人たちの隣りに座っていたのだが、いったい誰のことだかお判りになるだろうか。

五十嵐浩晃、雅夢、藤井郁弥、長渕剛、アルフィー。

答えは、チャゲ&飛鳥。『万里の河』では雅夢・五十嵐浩晃(それぞれ別の回)、『モーニングムーン』では藤井郁弥、アルフィー(それぞれ別の回)。スポットライトで『恋人はワイン色』を歌ったときは長渕剛。まあ、アルフィーを除けば、ほとんどはポプコンか九州つながりの人々だ。

ところで壮観なのは、巻末に掲載されている全出演者によるサインだった。本当にいわゆる写真用の「アルバム」にサインしていたらしく、プリンセス・プリンセスみたいに、台紙の縞模様がマジック越しに浮き出しているものもある。

それにしても増田けい子のサインは達筆だと思った。

 

ザ・ベストテン 山口百恵 完全保存版 DVD BOX

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  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • メディア: DVD

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クミコを聴きたくなった夜 [音楽]

9年前に出たクミコのアルバム『AURA』を久しぶりに出してくる。松本隆&鈴木慶一プロデュース。作曲陣に筒美京平らを迎えた、クミコがブレイクするきっかけとなったアルバムである。

「ままごと」と「ちょうちょ」を聴く。

歌詞を眺めてみると、はっぴいえんどの「しんしんしん」「花いちもんめ」、太田裕美の「ドール」「木綿のハンカチーフ」「リボン」を彷彿とさせるような言葉がならんでいる。はっぴいえんどや太田の昔のアルバムを聞いてからこれらの曲をあらためて聴くと、そんな発見がある。

たとえば「ちょうちょ」の出だし。この「あんたが道で刺された時は 私サラダのトマト切ってた」というフレーズは、「リボン」の冒頭の歌詞「あなたが海に出かけた夜は 私 朝まで お喋りの渦」を想起させる。詞の構造が同じことに気づく。

「死」をテーマに据えているのも、共通している点だ。とはいえ、「リボン」が海に身投げした少女という「下降」のイメージなのに対し、「ちょうちょ」はヤクザに刺された男の魂が空へ昇華するイメージで書かれているのが面白いところではある。

ところで、なんでこんなことを書いているのかといえば、鈴木茂のニュースを知ってとてもショックを受けたからだ。後追いの「はっぴいえんど」ファンとして、4人の周辺にまつわる音楽を10年近く聴いてきた。だからメンバーのひとりが大麻で逮捕されるというのはこの上なくやるせなく、また憤懣やるかたない。

なんだか無性に気が滅入るようなものを聞きたくなった。
それで棚から出してきたのが、どういうわけか、クミコだった。

 
 

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2分で終わる話 [音楽]

深夜。付けっぱなしのFMラジオでは、チャゲが今回の件についてコメントをしている。だけど2分ほど話しただけ。なんだかあっけなく終わってしまった。

昨年、桑田佳祐はサザンの活動休止について、自分の番組のなかで、内容を急遽変更し、ほぼ1時間まるまる使って自分の想いを語った。ファンクラブの会報でも伝わらなかったことを、誤解を与えないように言葉を選んで話していたのが印象的だった。「俺もばかだから。言葉が足りなくて、びっくりさせてゴメンねえ」などといいながら。

まあ、個人の性格やキャラクターの違いもあるのかもしれない。心配性な桑田とあっけらかんとしたチャゲ。いや、サザンの時は社会的な反響が大きかったので、そこまでせざるを得なくなった、ということもあるのだろう。20年前から今日までの解散騒動のかわしかたを見てみると、チャゲアスにはそんなに言葉を重ねなくともファンはきっと分かってくれる、という強い信念があるような気もする。たとえその「信念」とやらがファンとの馴れ合いや甘えにつながっているという批判があるにせよ。

やりかたは違っても、ファンへの愛情の深さは同じなのだ。

と、キレイにまとめて終わろうと思ったが、やはりもうちょっと語って欲しかったという気もする。

 

 

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野音であそぶ [音楽]

朝。録画したテレビを見る。T-SQUAREの30周年記念ライブ『野音であそぶ』。歴代のメンバーが集結して演奏するというイベントらしい。じつは19年前、初めて買ったCDが彼らのベスト盤だった。しかしジャズに目覚めてからしばらくは、この手のフュージョンはご無沙汰していて、ずっと聴いていなかった。

圧巻だったのは、歴代のドラマー5人による「オレにかまわずゆけ」という曲だった。惜しむらくはサックスの本田雅人が出ていないことだろうか。本当はメンバーチェンジなどせずに続くのがいいのだろうが、そうでないとこんなふうに同窓会みたいになるわけだ。

ところでチャゲアスもスクエアのように、くっついたりはなれたりしながら続いていけばいいと思う。

 

THE SQUARE~T-SQUARE since 1978 30th Anniversary Festival“野音であそぶ” [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ヴィレッジ・レコード
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青春という名前の休日 [音楽]

太田裕美の昔のアルバムなどを聴いてみる。じつは昨年の春にソニーのサイトからCD-BOXを購入していて、暇なときに取り出しては、一枚ずつ聞いていた。

で、今回は『ごきげんいかが』。1981年に発表されたアルバムだ。人気のピークは過ぎていたが、収録曲の質の高さは全盛期とかわらないと思う。ていねいにつくられている感じがする。

一曲目の「Good-Byシーズン」は、大学の同窓会(?)でふたたびキャンパスを訪れた学生が青春を振り返る歌。伊勢正三あたりがやりそうなよくあるテーマだが、ポップで爽やかなところがよい。次にかかった「We Loveバイキン君」はコミカルな曲で、太田の歌唱がキュートだ。「Silky Morning」を聴くと、なぜか『12ページの詩集』の「恋の予感」を思い出した。「ぬれた瞳」は、なんだか当時のチャゲアスのフォーク演歌をホウフツとさせる一曲。

いちばん気に入ったのは「風たち」だった。「風をみた者がいない理由は 僕等自身が風だから」「青春という名前の休日」というフレーズが印象に残る。そうか。青春は休日のようなものなのだ。

 

ごきげんいかが

ごきげんいかが

  • アーティスト: 太田裕美,山川啓介,小此野木七枝子,康珍化,大村雅朗,井上鑑
  • 出版社/メーカー: ソニーレコード
  • 発売日: 1998/06/20
  • メディア: CD

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世の中をぎゅっとしめあげる歌 [音楽]

ゲオで借りてきた椎名林檎のアルバムを出していると、そういえば8年前に荒川洋治が林檎の歌詞について何か書いていたことを思い出した。しかし歌詞カードをパラパラとめくってみても、どの曲について書いていたのかわからない。記憶では『サカナ』のような気がする。

しかたなく、屋根裏から『ダ・カーポ』のバックナンバーを出してくる。
やはり『サカナ』であった。

無限大に広がるような話題をとらえることから、椎名の歌詞には単純なところがないと、たしかに荒川氏は書いている。「彼女には一個の人間ではなく、人間本来のおおきさを、このまずしい人間の世界のなかで、なんとか確かめよう、絵にしてみようという意識というか根性がある。それが彼女の世界をつくる」。

『サカナ』の歌詞では、荒川氏はとくに「歴史」というフレーズにこだわっている。「その詞には、『など』(等)が多い。『歴史など』は、普通は「歴史」だが、たしかにひろく見ると『歴史など』かもと、思わせてしまう。見方ではなく言葉として、強さがある」

甘い世の中を絞り上げることで、刺激と緊張をもたらすのが椎名林檎の歌であり、絞り込まれるのは物や数、はては人間の感性や理性にも及ぶと続ける荒川氏。

「いまは二十歳を過ぎたおとなは本も読まず言葉ももたず、ものも考えないので、若い人(それも鋭敏な女性)が代わりに、しぶしぶ執り行うしかないのである。『歴史など』と言えるのは、十代の二、三年。その、ほんのわずかな時期をとらえて、日本の文学なり芸術なりが燃焼するしかない。そこまでしぼりこまれてしまったのだ。その意味で、椎名林檎の歌は『歴史』的である」                    (『ダカーポ NO.453 2000 9/30』「椎名林檎の歌は、この甘い世の中をぎゅっとしめあげる」(p.77))

本も読まず、言葉ももたず、ものも考えない大人でふくれあがったこの国は、とうとう政治的にも経済的にも末期的な様相を呈してしまっているわけであるが、さらに「しぼりこま」れつづけたあげく、残された場所には「歴史など」と言える世代すらも、いなくなってしまうかもしれない。

  
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愛への警戒心 [音楽]

原田宗典『私を変えた一言』(集英社文庫/2008)を読む。小林秀雄との出会いについて書かれた『テメエは大馬鹿ヤロウだ』というエッセイにふかい感銘を受ける。同じような不思議な因果をたどって中谷宇吉郎や中里介山と出会った者としては、これは共感せざるを得ない。原田にとっての小林秀雄が、私にとっての中谷や中里なのだと思う。そもそもじつは原田宗典という作家との出会いも運命的だったのだが。

他には「愛」という言葉に懐疑的であることを表明した『御大切』も考えさせられる話だ。英語の「love」を「愛」などというあいまいな言葉に訳したのはきわめて問題であるのだと。その原田の見解によれば、日本の映画界ではタイトルに「愛」という日本語の付けられた洋画が70年以降、やたらと増えたらしい。

それでは音楽の世界はどうなのか。考えさせられたついでに、『オリコンNO.1HITS 1968-1985』を出してきた。タイトルに「愛」を冠したすべての曲数の推移は判りかねるが、少なくとも「愛」の付いた曲でオリコン1位を獲った曲はきわめて少ないことに気づいた。

『逢わずに愛して』(内山田洋とクールファイブ)
『愛は傷つきやすく』(ヒデとロザンナ)、『愛するハーモニー』(ザ・ニュー・シーカーズ)
『ちぎれた愛』『愛の十字架』(西城秀樹)

1970年代はわずかにこれだけ。
ちなみに80年代になると、「愛」はぱったりと鳴りをひそめる。
代わりに、英語のままの「LOVE」が増える。

『セカンド・ラブ』(中森明菜)、『ラブ・イズ・オーヴァー』(欧陽菲菲)
『涙の茉莉花LOVE』(河合その子)
『TRUE LOVE』(浅香唯)

ただし80年代も終わりになると、『愛が止まらない』(Wink)『激愛』(長渕剛)などのように、わずかに「復活」のきざしを見せるようになる。しかし基本的には「愛」が「天下」を獲ることはなかった。

ところが90年代に入ると、様相は変わってくる。『愛は勝つ』だの『いつまでも変わらぬ愛を』だのといった、直球タイトルがやたらと頻発するようになる。アルファベットを並べたタイトルの歌がヒットしていた時代に、こういった愚直なまでにストレートな曲名はかえって新鮮に迎えられたということだろう。ちなみに英語の「LOVE」にしても、日本語の「愛」に近接せんばかりに、“直球”気味になっていく。なにしろ浅香唯と同名タイトルの『TRUE LOVE』(藤井フミヤ)がダブルミリオンというのが象徴的にみえるし、SPEEDに至っては『ALL MY TRUE LOVE』だ。『セカンド・ラブ』『茉莉花LOVE』などと少しひねった曲がヒットしていた80年代とは対照的である。

こうして時代を俯瞰してみると、「愛」という言葉を避けるかのようにやたらと創意工夫を凝らしていた80年代のほうが、表現に向き合う態度としてはいちばん「正しい」感じがする。

私を変えた一言 (集英社文庫 は 10-20)

私を変えた一言 (集英社文庫 は 10-20)

  • 作者: 原田 宗典
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2008/08
  • メディア: 文庫

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